エイズ予防指針の国民理解および施策の効果のモニタリングに関する研究
白阪琢磨
目的
エイズ終結を2030年までに達成しようというUNAIDSの目標設定をわが国でも達成すべく、エイズ予防財団と日本エイズ学会を核に関連団体と共にプロジェクト“Zero transmission in Japan by 2030”を立ち上げ、情報提供や啓発を進め、今回改正のエイズ予防指針を基とする国民理解および施策の効果のモニタリングを行う。
方法
本研究は改正予防指針に沿って展開される啓発と情報提供のプロジェクト“Zero transmission in Japan by 2030”の効果をモニタリングの中で、国民および個別施策層の理解、予防行動意識と状況、さらに、未診断者等の推計値を明らかにする。初年度は既存報告等に基づきアンケート調査内容を検討、決定し、次年度に実施し、最終年度に調査結果の推移と解析を行う予定である。予防行動の実施状況は未診断者の推定値の経年推移および前述のアンケート調査から明らかにする。改正予防指針の解説冊子を作成し、ホームページ等で情報提供する。アンケート調査によって国民の理解をモニターし、理解不足部分等を分析し、必要であれば解説冊子を改訂する。本項では分担研究を概説し、以下、いくつかの研究につき詳説する。
結果
新規感染者、新規エイズ患者の発生を大きく減少させるという数値目標だけでなく、現存する陽性者への支援、人権への配慮の重要性の再認識も目指すために、国民に広く呼びかけ、国民的変化を起こすキャンペーンを目指すプロジェクト「ZERO Transmission in Japan by 2030」を立ち上げた。今年度は改正エイズ予防指針に加え、本キャンペーンの効果もモニタリングする研究の準備をおこなった。UNAIDSが公表したHIV領域の用語のガイドラインを翻訳し、日本語版を作成した。
考察・結論
3年計画の初年度であり、エイズ予防指針の国民理解および施策の効果のモニタリングに関する研究の準備をおこなった。それぞれの研究で進捗状況に差が見られるが、研究1を除き、概ね計画通りと考える。