厚生労働科学研究費補助金(エイズ対策政策研究事業)

エイズ予防指針に基づく 対策評価 推進のための研究 HIV Prevention Policy Research

HIV感染症に対する偏見・差別に関する研究

滋賀医科大学医学部医学科医療文化学講座

大北全俊

研究目的

日本のHIV感染症対策を阻害すると考えられる偏見・差別に関する事項について、有効な対策を考案・実施するべく、UNAIDSによって提示されている社会的イネーブラーsocietal enablerに関する指標及び根拠文献の参照、国内のこれまでの関連調査の参照、陽性者とコミュニティ・研究者等との協議に基づきモニタリング指標や調査方法について確立する。並行して上記モニタリングのパイロット的調査として、陽性者の医療・介護アクセスの障害となりうる事項に関する調査を実施し、有効な対策を検討する。

期待される効果

偏見・差別に関する事項について、国内の状況を把握及び定期的なモニタリング体制を構築することで、より有効な対策の実施を可能とする。

研究計画・方法

令和6年度は1.偏見・差別に関するモニタリング指標の検討のため、国際的ポリシーの指標や国内の過去の関連調査研究についての文献調査を実施する。2.医療者対象の意識調査の研究デザインを検討、確定する。令和7年度は1. 文献調査による知見に基づく陽性者・コミュニティ関係者、研究者などとのモニタリング指標に関する協議の実施。2. 調査の実施及びデータ解析・解釈。令和8年度は1. モニタリング指標及び手法の検討と確立。2. 調査データの解析・解釈ののち論文などの形態にて公開。1のモニタリング指標・手法との統合。